みなさん、こんにちは
今回は『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』の概要と、人生100年時代の後半に生かすためのキーワード5選を紹介いたします。
スティーブン・R・コヴィー博士によって書かれたビジネス書、自己啓発書であり、2018年時点で44か国語に翻訳され、全世界3000万部、日本でも累計200万部を売り上げたベストセラーですから、読んだことがある方は多いと思います。
本書がアメリカで出版された1989年と言えば、私が20歳の年です。日本でも1996年に出版され話題になっていたことは記憶にありますが、読んでいませんでした。
50歳になった今、なぜこの本を読むことになったかと言いますと、manablogのマナブさんの宿題企画をYouTubeで知り、参加してみようと思い立ったためです。
実はブログを開設したきっかけもYouTubeでした。開設したまではよかったのですが、その後、いろいろな方のブログやYouTubeを見ているうちに、いろいろ考えすぎてブログに手を付けられなくなっていました。
そんな私が本書を読み終えての一番の想いは「今、読んでよかった」ということです。
「あなたが今どんな状況に置かれていようと、習慣を変えることはできる」という一節を信じてみようと思いました。
若い人にはもちろん、同世代の方々にも今後の人生をよりよく生きるためのヒントが詰まったおすすめの1冊です。
「7つの習慣」の構成
コヴィー博士によると「7つの習慣」とは効果的に生きるための基本的な原則を具体的な形にしたものです。
本書は四部構成になっています。
第一部「パラダイムと原則」
それぞれの習慣を紹介する前に、まず、自分のパラダイム(物事の見方)を自覚し、パラダイムシフトの方法を知らなければならないということが書かれている。
また、副題にもある「人格主義」についての説明もある。
第1次世界大戦前までの(アメリカ建国から150年間)の「成功に関する文献」に挙げられている成功の条件が、人間の内面にある人格的なこと(誠意、謙虚、誠実、勇気、忍耐、勤勉、質素、節制、黄金律など)であったことをコヴィー博士は「人格主義」と名付けた。
最近50年の表面的なその場しのぎのテクニックのみを重要視する「個性主義」の土台として、忘れられていた「人格主義」の回復を目指している。
第二部「私的成功」
人間の成長とは「依存」から「自立」、そして「相互依存」であるという考えのもと、まず、真の意味での「自立」を成功させるための3つの習慣が挙げられている。
第1の習慣:主体的である
「主体性」は筋肉であり、ほかの六つの習慣の土台となるものであり、動かされるのではなく、自分から動く「率先力」を発揮することが大切だ。
第2の習慣:終わりを思い描くことから始める
今日から3年後に行われる自分の葬儀を想像することから、自分の内面の基本的な価値観に触れ、自分の芯となる「原則」を見つけることについての説明。
第3の習慣:最優先事項を優先する
時間管理のマトリックスとして「緊急度」と「重要度」の二つで人間の活動を四つの領域に分けて考える。
第Ⅱ領域(重要だが緊急でない)のパラダイムを理解し、内面に根付かせることがセルフマネジメントの鍵である。
第3の習慣は第1の習慣と第2の習慣で身につけたことを実践し、個人的な結果を得る習慣である。
第三部「公的成功」
人と人とが力を合わせて結果を出す「公的成功」のために必要な3つの習慣について書かれている。
第4の習慣:Win-Winを考える
Win-Winには「人格」「人間関係」「協定」「システム」「プロセス」の5つの側面があり、それぞれに勇気と思いやりのバランスが大切。
Win-Win or No Deal も選択肢の一つ。
第5の習慣:まず理解に徹し、そして理解される
テクニックとしての「聴き方」ではなく、相手を理解するために「聴く」ことが必要。
まず、「信頼口座」を開き、そこにたっぷり預け入れをしておくことが大切。
第6の習慣:シナジーを創り出す
シナジーとは、全体の合計は個々の部分の総和よりも大きくなるということ。
シナジーの本質は、お互いの違いを認め、尊重し、自分の強みを伸ばし、弱いところを補うこと。
第四部「再新再生」
第7の習慣が身につけば、ほかのすべての習慣を実現可能にする。
第7の習慣:刃を研ぐ
人間をつくっている四つの側面(肉体、精神、知性、社会・情緒)の刃を研ぎ、再新再生させる習慣。
「刃を研ぐ」ことは自分の人生に対する最大の投資である。自分自身に投資するということ。
再新再生は、成長と変化を繰り返しながら、螺旋階段を登るようにして自分自身を高めていく。
より、高い次元で学び、決意し、実行すること。
50歳からの生き方に活かしたいキーワード5選
豊富な実例や多くの先人たちの言葉の引用を使い、説得力を深めていくコヴィー博士の『7つの習慣』ですが、私が特に気になったキーワード5つに沿って、今後への生かし方をお話ししたいと思います。
その1 インサイド・アウトのアプローチ
「自分との約束を果たすことができて初めて、他者との約束を守ることができる」
50年間の人生を振り返ってみて、果たせていないなあと反省しています。
まずは自分自身との小さな約束の一つ一つを守ることから、再スタートします。
その2 影響の輪を広げる
「解決策はすべて自分の影響の輪の中にある」
自分の時間とエネルギーを何に使っているかを図る「関心の輪」と「影響の輪」。
「関心の輪」の中にある「影響の輪」を50年生きてきた中で、どれだけ効果的に広げられてきたかじっくり振り返ってみます。
私自身は「関心の輪」も少し広げる必要があるのかなとも感じます。そのためにはまずは「影響の輪」の中のことだけに集中する時間を確保することが大切なのだと感じました。
その3 ミッション・ステートメント
「個人のミッション・ステートメントは、その人の憲法と言える」
これからの時代ますます変化が大きくなっていくことが予想されます。
妻として、娘として、姉として、教師として、コミュニティの一員としてそれぞれの役割を果たすための軸となる、自分の内面に変わることのない中心をもって、どんな変化にも耐えられるように準備をしておきたいと思います。
今現在の私は「夫中心」になっているかなと感じています。「誠実」「謙虚」という「原則」を中心とした考え方、見方にシフトします。
その4 デリゲーション
「すべてのことを達成するには、自分の時間を使って実行するか、人に任せるか、どちらしかない」
「個人であれ組織であれ、デリゲーションこそが成長をもたらすと言っていい」
「デリゲーション」という言葉をはじめて知ったのですが、「人に任せること」が上手にできることが大切なのだろうということは、これまでも感じてはいました。感じてはいたものの、結局は自分でやった方が早いとか、説明するのが面倒とか、お金がかかるからとかの理由で自分で抱え込んでいたことが多いです。
人生の後半、この「デリゲーション」ができるかどうかが特に大切だと思います。
その5 共感による傾聴
「ほとんどの人は、相手の話を聴くときも、理解しようとして聴いているわけではない。次に自分が何を話そうか考えながら聞いている」
「すべての物事を自分のパラダイムのフィルターに通し、自分のそれまでの経験、いわば自叙伝(自分の経験に照らし合わせ)を相手の経験に重ね合わせて理解したつもりになっている」
耳が痛いですね。50年生きてきて凝り固まったパラダイムのフィルター越しでは、相手を理解しようとしてもそれはしょせん無理だということです。
夫、両親、妹、叔母、職場の同僚、学生たち……
「相手を理解しよう、理解したい」というパラダイムに書き換えて、「共感して話を聴く練習」を継続していくことが、それぞれとの「相互依存」の関係に近づくための第一歩ですね。
まとめ
『完訳 七つの習慣 「人格主義」の回復』の概要と人生100年時代の後半に生かすためのキーワード5選を紹介しました。
もっと早く読んでおけばよかったとは思いますが、それでも今、読んでよかったと実感しています。
このまま知らずに50年間の振り返りもせずに人生の後半を生き続けていくより、今、気づいて、少しずつでもパラダイムシフトしていきます。
自分の影響の輪の大きさを自分自身で決めてしまわずに、大きくしていくことができるかもしれないと思うと、なんだかワクワクしてきました。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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