今日はJLPT文法N2「~ばかりに」について見ていきます。
どんな場合に、どんな気持ちで使われる表現なのかをしっかり導入することが大切です。
意味は?
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【AばかりにB】で、Aだけが原因でBという結果になった。
Bという(-)の結果が起きた原因の強調
接続は?
- V普通形(た形が多い) +ばかりに ➡ ミスしたばかりに・忘れたばかりに
- イA普通形 +ばかりに ➡ 多いばかりに・少ないばかりに
- Nである(な) +ばかりに ➡ 外国人であるばかりに・長男であるばかりに
- ナAである(な) +ばかりに ➡ 有名であるばかりに・豊富なばかりに
どんな時に使う? どんな気持ち?
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1.自分の行為(失敗したことなど)が原因で(-)の結果になったとき
「Aしなければ(すれば)よかった」「もっと気をつければよかった」と後悔の気持ちを表したいとき
2.自分の属性や特徴が原因で(-)の結果になったとき
「Aじゃなければよかった」と不満の気持ちを表したいとき
3.第三者の行為や特徴が原因で(-)の結果になったとき
「Aじゃないほうがいいのに」残念だ。だから「Aに気をつけたほうがいい」という気持ちを表したいとき
例文
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1.自分の行為(失敗したことなど)が原因で(-)の結果になったとき
- 私がミスしたばかりに、試合に負けてしまった。
- 私が失敗したばかりに、先輩たちに迷惑をかけてしまった。
- 彼の言葉を信じたばかりに、ひどい目にあった。
- 名前を書き忘れたばかりに、テストを0点にされてしまった。
- 出席日数が1日足りないばかりに、卒業できなくなった。
- たまたまその道を通ったばかりに、事故にあってしまった。
- 背が高いばかりに、どこへ行っても目立ってしまう。
- 外国人であるばかりに、アルバイトの時給がなかなか上がらない。
- パソコンの知識が豊富ばかりに、ほかの人より仕事量が多くなってしまう。
- 兄は無口なばかりに、冷たい人だと誤解されやすい。
- 彼は優秀だったが酒を飲みすぎたばかりに、会社を首になった。
2.自分の属性や特徴が原因で(-)の結果になったとき
3.第三者の行為や特徴が原因で(-)の結果になったとき
補足
- 会話では「ばっかりに」になる。
- 直接の原因ではないことでも、話者がそれが原因だと考えている内容を述べることができる。
実際の教室で
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学生に例文を作らせたところ、「大雨が降ったばかりに、海へ遊びに行けなかった」という文がありました。
「AばかりにB」のAもBも主体は同じであるということが、伝わっていなかったことが原因だと思います。
また、「~ので」や「~せいで」との違いが理解できていないということがわかりました。
「海へ遊びに行けなかった」のは私なので、私がしたこと(しなかったこと)について、「後悔」の気持ちを表したい場合に「~ばかりに」を使うのだということを伝えました。
例えば「水着を持ってこなかったばかりに、海へ遊びに行けなった」「転んで足にけがをしたばっかりに、海へ遊びに行けなかった」などです。
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以上、JLPT文法 N2 「~ばかりに」についてでした。
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