去年の夏、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』で69歳の女装愛好家であるキャンディさんに密着した内容を放送していました。
考えさせられる内容だったので考えたことを記録しておこうと書き始めたものの、途中でそのままになっていました。
改めて「好きなことに打ち込む人生」について考えてみようと思います。
キャンディ・H・ミルキィさん
かつて原宿の歩行者天国に出没、話題の人としてテレビで取り上げられていたのを見た覚えがありました。
なんだか鶴瓶さんに似ているな。世の中いろいろな人もいるもんだ。ご家族も大変だな。なんて、思ったのを思い出しました。
23歳で結婚し、三人の息子さんもいたそうですが、奥様とは離婚し、今は一人暮らし。
肺の病気を患い、自身の人生の終わりも意識しつつ暮らしています。
番組中、38歳になった三男が訪ねて来て当時の心境を語る場面がありました。
女の人の格好をするのは嫌だったけど、お父さんのことを嫌いになるということはなかったと話していました。
今では好きなことを貫いた父を認めている様子でもありました。
また、4つ年上のお姉さんも訪ねてきます。女装姿の弟を直に見るのは初めてというお姉さん。
「この歳になって好きなことがあるって幸せ」というお姉さんの言葉が印象的でした。
三橋順子さん〜日本初「女装講師」〜
番組には三橋順子さんも登場しました。三橋さんは現在も社会文化史研究家として活躍されています。
三橋さんの奥様はカミングアウトした三橋さんに対して、今更何を言っているのと受け入れて結婚関係を継続したそうです。
三橋さんの著書『女装と日本人』は現代風俗の領域での独創的な研究に対して授与される第19回(2010年度)橋本峰雄賞(社団法人・現代風俗研究会)を受賞したそうです。
「自分らしく」が一番いい
お二方とも時代的なことから見ても、きっと「男らしく」することが当たり前だと言われ続けてきたのではないかと思います。
私は「女らしくしなさい」と言われたことはあまり記憶にはないけれど、自分が「あの人は男みたいな格好をしている」「女みたいな話し方だ」と誰かのことを表現することに疑問を持つことはありませんでした。
ただ、日本語教師になって様々な国の様々な学習者と接するようになって、日本語には「制限する言葉」「決めつける言葉」が多いと思うようになりました。
意識せずに使って誰かを傷つけているかもしれないと少し怖くなりました。
一人一人が「自分らしく」「その人らしく」生きていけることが一番の幸せなのだと思います。
「自分らしく」が一番難しい
一方で「自分らしく生きていいよ」と言われると、その難しさにも気づきます。
世間の決めた「女らしく」「妻らしく」「先生らしく」生きていた方が「楽」という一面もあるのではないかと思ったりもします。
「自分とは?」「自分が好きなものって?」「自分らしさって?」…
「自分」をしっかり持っていないと、自分以外の人に対しても「らしく」を強要してしまうのかもしれません。
幸せに生きるためには「自分らしさ」が何なのかを見つけることから始まるというのが現時点での私の考えです。
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